水質に関する基準改正について(六価クロム、大腸菌)

1.六価クロム

厚生労働省は、六価クロム化合物の水道水質基準を以下(表1)のように強化し、令和2年4月1日から施行しています。

 

表1:水道水質基準

  改正前 改正後
六価クロム化合物

六価クロムの量に関して、

0.05 mg/L 以下

六価クロムの量に関して、

0.02 mg/L 以下

また、環境省は、公共用水域及び地下水の水質汚濁に係る環境基準の改正について、令和3年10月7日に告示しています。

それにより、六価クロムについて基準値が見直されます(表2)。

 

■表2:「公共用水域の水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準」及び「地下水の水質汚濁に係る環境基準」

  改正前 改正後
六価クロム

0.05 mg/L 以下

0.02 mg/L 以下

※施行期日:令和4年4月1日

※備考:基準値は年間平均値とする。

※参考:環境省「水質汚濁に係る環境基準の見直しについて(お知らせ)」(令和3年10月7日)


2.大腸菌群数/大腸菌数

環境省は、公共用水域の水質汚濁に係る環境基準の改正について、令和3年10月7日に告示しています。

それにより、「大腸菌群数」を生活環境項目環境基準の項目から削除し、新たに「大腸菌数」が追加されました。

基準値は、現行の類型区分とその利用目的の適応性に基づき設定することとしました。

各利用目的の適応性における大腸菌数の基準値及び導出方法の概要は表3~表5のとおりです。

 

※施行期日:令和4年4月1日

※参考:環境省「水質汚濁に係る環境基準の見直しについて(お知らせ)」(令和3年10月7日)

 

■表3:環境基準値【河川】

類型 利用目的の適応性

大腸菌数環境基準値

[90%水質値]

基準値の導出方法
AA

水道1級

自然環境保全

及びA以下の欄に掲げるもの

20 CFU/100ml 以下(備考2)

・水道1級の水道原水及び自然環境保全の実態から基準値を導出

A

水道2級

水浴

及びB以下の欄に掲げるもの

300 CFU/100ml 以下

・水道2級の水道原水の実態及び諸外国における水浴場の基準値等を参考に基準値を導出
B

水道3級

及びC以下の欄に掲げるもの

1,000CFU/100ml 以下 ・水道3級の水道原水の実態から基準値を導出

※備考:

  1. 大腸菌数に係る基準値については、90%水質値(年間の日間平均値の全データをその値の小さいものから順に並べた際の0.9×n番目(nは日間平均値のデータ数)のデータ値(0.9×nが整数でない場合は端数を切り上げた整数番目の値をとる。))とする(湖沼、海域もこれに準ずる。)。
  2. 水道1級を利用目的としている地点(自然環境保全を利用目的としている地点を除く。)については、大腸菌数100CFU/100ml以下とする。
  3. 水産1級、水産2級及び水産3級については、当分の間、大腸菌数の項目の基準値は適用しない(湖沼、海域もこれに準ずる。)。
  4. 大腸菌数に用いる単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit))/100mlとし、大腸菌を培地で培養し、発育したコロニー数を数えることで算出する。

■表4:環境基準値【湖沼】

類型 利用目的の適応性

大腸菌数環境基準値

[90%水質値]

基準値の導出方法
AA

水道1級

自然環境保全

及びA以下の欄に掲げるもの

20 CFU/100ml 以下(備考1)

・水道1級の水道原水及び自然環境保全の実態から基準値を導出

A

 

水道2、3級

水浴

自然環境保全

及びB以下の欄に掲げるもの

300 CFU/100ml 以下(備考2)

・水道2、3級の水道原水の実態及び諸外国における水浴場の基準値等を参考に基準値を導出

※備考:

  1. 水道1級を利用目的としている地点(自然環境保全を利用目的としている地点を除く。)については、大腸菌数100CFU/100ml以下とする。
  2. 水道3級を利用目的としている地点(水浴又は水道2級を利用目的としている地点を除く。)については、大腸菌数1,000CFU/100ml以下とする。
  3. 大腸菌数に用いる単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit))/100mlとし、大腸菌を培地で培養し、発育したコロニー数を数えることで算出する。

■表5:環境基準値【海域】

類型 利用目的の適応性

大腸菌数環境基準値

[90%水質値]

基準値の導出方法
A

水浴

自然環境保全

及びB以下の欄に掲げるもの

300 CFU/100ml 以下(備考1)

・諸外国における水浴場の基準値等を参考に基準値を導出

※備考:

  1. 自然環境保全を利用目的としている地点については、大腸菌数20CFU/100ml以下とする。
  2. 大腸菌数に用いる単位はCFU(コロニー形成単位(Colony Forming Unit))/100mlとし、大腸菌を培地で培養し、発育したコロニー数を数えることで算出する。

ご不明な点などがございましたら、ぜひお気軽に当センターへご相談ください。[2021年10月24日]