土壌汚染対策法の特定有害物質にクロロエチレンが追加されます

・土壌汚染対策法施行令の一部を改正する政令
・土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令
・土壌環境基準及び地下水環境基準の一部を改正する告示

 について、平成29年4月1日から施行されます。

 クロロエチレンへの対応が必要になります。

 

【改正のポイント】

  1. 土壌汚染対策法の特定有害物質として、クロロエチレン(別名:「塩化ビニル」または「塩化ビニルモノマー」)が指定されました。
  2. 「土壌汚染対策法施行規則」において、クロロエチレンの土壌溶出量基準・地下水基準・第二溶出基準値が定められました。
  3. 「土壌の汚染に係る環境基準項目」に、「クロロエチレン」及び「1,4-ジオキサン」が追加されました。
  4. 施行期日が、平成29年4月1日とされました。

以下、各項目について概略をお伝えします。

 

[2017年2月13日]

 

 

1. 土壌汚染対策法の特定有害物質として、クロロエチレンが指定されました。

 

土壌汚染対策法第二条第一項の政令で定める物質(特定有害物質)として、クロロエチレン(別名:「塩化ビニル」又は「塩化ビニルモノマー」)が指定されました

※これまでは環境基準等で「塩化ビニルモノマー」の呼称が使われていましたが、施行後はクロロエチレン(別名:「塩化ビニル」又は「塩化ビニルモノマー」)の呼称に変わります。

 

2. クロロエチレンの土壌溶出基準値等が定められました。

 

「土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令」に定められる基準値等は、以下のとおりです。

 

【クロロエチレンの基準値】

項目 クロロエチレンの基準値
土壌ガス調査における定量下限値

 0.1volppm

※「ベンゼン以外は0.1volppmとする」規定の文章に変更なし。

土壌溶出量基準

0.002mg/L以下であること

※施行規則別表第三に追加。

土壌含有量基準 なし
地下水基準

0.002mg/L以下であること

※施行規則別表第一に追加。

第二溶出量基準

0.02mg/L以下であること

※施行規則別表第二に追加。


3. 「環境基準項目」に、「クロロエチレン」及び「1,4-ジオキサン」が追加

 

「土壌の汚染に係る環境基準」に、「クロロエチレン(別名:塩化ビニル又は塩化ビニルモノマー)」及び「1,4-ジオキサン」が追加されました。定められる基準値等は、以下のとおりです。

 

【項目追加された環境基準値】

項目 環境基準値

クロロエチレン

(別名:塩化ビニル又は塩化ビニルモノマー)

 

0.002mg/L以下であること
1,4-ジオキサン

0.05mg/L以下であること


4. 施行期日が、平成29年4月1日とされました。

 

クロロエチレン(別名:「塩化ビニル」又は「塩化ビニルモノマー」)が、平成29年4月1日の施行をもって、第一種特定有害物質に追加されます。

施行前であっても、クロロエチレンについて、注意して対応することが必要となります。

参考資料