事業活動によって生じた廃棄物は、再資源化・再利用化されるものを除き、最終的には埋め立て処分または海洋投入処分され環境中に排出されます。
しかし、この時に有害物質を含有していると人の健康および生活環境に悪影響を及ぼす恐れがあるため、排出前に廃棄物の分析を行い、有害物質の基準を満たしていることを確認する必要があります。
廃棄物処理法や海洋汚染防止法の対象となる廃棄物(汚泥、燃えがら、廃液 など)の分析を行っています。
産業廃棄物の種類・処分方法により、分析項目や基準が異なっています。
適切な分析方法に基づき結果を提供します。
・調査項目
廃棄物処理法における燃え殻、ばいじん、鉱さい、廃油、汚泥、廃酸、廃アルカリ
*関係法令
1.絶縁油中のPCB
処理期限が定められたPCB -2016 年7 月14 日までに処理しなければならないPCB-
PCBは、トランスやコンデンサの絶縁油や、熱媒体として多く使用されてきましたが、1968年(昭和43年)に発生したカネミ油症事件を機にその毒性が大きな社会問題となり、1973年(昭和48年)に制定された「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」により製造・輸入・使用が原則として禁止されました。
一方で、それまで製造されたトランスやコンデンサ等の処理体制の整備が著しく停滞していたため、長期にわたり処分がなされずに事業者で保管されてきました。
これらの廃棄物の紛失、あるいは漏洩等による環境汚染についての懸念を踏まえ、2001年(平成13年)にPCB特別措置法が施行されました。
このPCB特別措置法により、PCB廃棄物を保管している事業者は、毎年PCB廃棄物の保管・処分状況を都道府県知事に届けるとともに、2016 年7 月14 日(平成28年)までの完全処理が義務付けられました。
このため、2016年までにPCB廃棄物を自ら処分するか、処分を依託しなければなりません。
使用中の重電機器等についても将来的には廃棄物になるため、計画的に確認していくことが必要です。
絶縁油中の微量PCB -非意図的なPCBの混入-
実質的には1972年以降、PCBの製造、使用等が禁止されましたが、2002年(平成14年)には、PCBを使用していない筈の電気機器等の絶縁油から、数10ppm程度の微量のPCBが検出されていたことが明らかになりました。廃棄の際にこの「微量PCB」混入の有無確認が必要な電気機器等は、全国に約650万台とも言われています。
この微量PCB汚染廃電気機器等についても、PCBが使用されていた物と同様に、法の基準値である絶縁油1kg当たり0.5mgを超えている場合にはPCB特別措置法対象機器としての届出、保管および処分をしなければなりません。
微量PCB汚染廃電気機器等はPCBが使用されていた電気機器等と異なり、銘板等ではPCBの含有の有無を判断することができず多くの電気機器等について実際に絶縁油に含まれるPCB濃度の測定を行う必要性があります。
これを受け、2010年1月(平成22年)、環境省から絶縁油に含まれる微量のPCB濃度を短時間にかつ低コストで測定できる方法として「絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル」が公表されました。
*関係法令・参考
ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物処理」(廃棄物・リサイクル対策)
絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアルについて」(平成22年1月25日報道発表資料)
PCB廃棄物処理事業について(平成31年3月 環境省廃棄物規制課資料)